酔っていたのはスノウじゃない。 多分、僕の方が甘い香りに酔いしれていたんだ。 けれどその割にはちゃんとスノウの言葉が理解できて、 スノウの熱い吐息と声と指先の感覚が、僕を狂わせていた。 背中が傷ついてしまうからと、スノウはホープの身体を抱き寄せて膝の上に乗せた。 小さい身体はすっぽりと埋まってしまう。 微妙な隙間が何だかスースーして気持ち悪かった。 スノウの背中に手を回すと、優しく頬を撫で、静かに口づけを落としてくれる。 啄ばむ様なキスが続く。 じれったくなって自分から唇を開いて誘うと、スノウはすぐさま応えてくれた。 「…ん、ぅ…」 絡み合う熱と鼻から抜ける香り。 頭を支えてくれる大きな手のひらに安心して身を委ねてゆく。 呼吸するためにいったん口を離すと、スノウが不安げに問いかけた。 「ホープ…いいのか?」 これから何をしようとしているかくらい、わからないわけじゃない。 だけどスノウだからいいんだ。 どうしてかって聞かれたら、明確な答えは出せないんだけれど。 でも、それが「好き」ってことなんだと思う。 声にしないで小さく頷くと、スノウが微かに笑った気がした。 そしてもう一度唇に口づけを落としてから、首に巻いたバンダナがしゅるりと外された。 いつも身につけているから、首筋が露わになるのは少しだけ寒い。 身を震わせているのも束の間、スノウの唇がゆっくりと首筋に移動してくる。 「っ、ぁ……」 くすぐったいような感覚。 でも、熱い唇が触れるたびにぞくりと腰が震えてしまう。 今はただスノウの肩に縋っていることしかできなくて、 勝手に溢れてくる声。唇を噛み締めて必死にこらえていた。 すると、首筋とは別にわき腹から這い上がってくる手のひらに気付く。 胸のあたりをさわさわと動き始めたそれは、わけのわからない刺激となって襲いかかる。 「…ん……ぁッ、…」 自分でも信じられない声。 捲りあげられた服。 露わになった上半身をスノウの舌が舐めてゆく。 胸のあたりに辿りついたとき、びくりと腰が揺れたのがわかった。 何の特徴もない胸の頂を、スノウの熱い唇が吸って転がす。 「ゃっ…ぁ、ン…」 肌にかかるスノウの吐息さえ感じてしまう。 手の甲で必死に声を堪えていると、 くすくすと下から笑い声が聞こえて視線を移す。 「ホープ。声、出せよ」 「ぃ…嫌だ…」 「こんなことしてる時にも強がんなって」 「だって…スノウが…ッぁ…」 反抗すると意地悪な唇はもう一度強く突起を吸ってくる。 我慢しても洩れてしまう声にさえ、高ぶる自分はおかしいのかもしれない。 「素直なりゃあいいのに」 「んッ……あ、ぁっ…」 笑いながら、スノウの手が下半身に移動した。 知らない間に熱くなったそこをごつごつした手が撫でると、 それだけで腰が砕けそうになる。 「腰、上げろよ。脱がすから」 言われるままに腰を上げると、スノウが衣服を素早く脱がした。 何も隠すものがなくなり、露わになった身体にホープは目をきゅっと瞑る。 曝け出された熱は正直な反応を示していた。 「何だ? 恥ずかしいのか」 「…ち、違う」 「そんな顔で言われても説得力ねぇな」 以前、一度だけ彼の身体を見たことがある。 彼が自分を庇って怪我をした時の事だ。 自宅で手当てをした時に見た、スノウの身体。 あの時のがっちりした筋肉のスノウの身体と比べて、 自分の身体はどれだけ幼くて弱々しいんだろう。 スノウからしたら笑ってしまうかもしれない未熟な身体。 そう思うとそれだけで恥ずかしくなってしまうのだ。 「…っ…スノウも脱いでよ…」 「悪くない提案だが… それよりも早くお前を気持ちよくさせてやりたい」 そう言うと、露わになったホープのそこを手のひらで包んで愛撫を施し始めた。 「…ンぁ…っ、…!」 こうして人に触れられた事なんて今まで一度もない。 だから、未知にも近い感覚に混乱が生まれてしまう。 「ゃ、あ…っ…ぁ…」 軽く上下に扱くだけでそこはすぐに芯を持ってふるふると震え始める。 今までにない刺激に声を抑えることすら忘れてしまう。 スノウの指先の感覚。 的確に刺激する愛撫に全て持って行かれそうになる。 「…ン、っ…ぁ…あ…ゃだ…」 意識を保とうとすれば、下の方からくちゅくちゅと水音が聞こえてくる。 抑えが効かない、自分の欲望の音だ。 耳を塞ぎたくても、肩に縋りついて離れられない。 「ハッ、ぁ……スノ、ウ……もう…」 酒と戯れによって弄ばされた身体はすぐに限界を迎える。 スノウの扱く手が速さを増した。 縋りついて喘ぐホープの耳元で囁いてやる。 「我慢する必要ねぇから。たっぷり出せよ」 「…ぁっ、ン…だ、め……ああっ…!」 先端を突くスノウのごつごつした指に促される。 我慢しようと思っても我慢できなくて、腰が勝手に震えてしまう。 何度かスノウの手が上下に動くと、やがて手のひらに白濁が散った。 そのままくったりとスノウの身体に倒れ込んでしまい、荒い呼吸を繰り返す。 「大丈夫か?」 スノウの問いかけにこくり頷くと、 優しく髪を撫で、頬に柔らかい口づけを落としてくれる。 身体がくたくたで自分のものじゃないみたいに熱くなっていた。 まともに返事することすら必死で、そんな様子を見たスノウがくすくすと笑っている。 「今度こそ、本当に寝る時間だな」 「ぇ…まだ…」 自分だけ気持ちよくなって、スノウは何にもしていない。 そう言葉を続けようと思っても、すぐにスノウの熱い唇に塞がれてしまった。 激しい刺激のあとの口づけはなんだかいつもと少し違う。 真夏に時間も忘れて一日中友達と遊んだ後に、冷房が効いた家に帰った時の あのすうっと心に沁み込んでゆくような心地よさに似ている。 ――何度、感じても好きな感触。 「…はぁっ……ん、ッ…」 呼吸が交わる。 この余韻が終わってほしくなくて、 スノウが少し離れるとすかさず唇を自分から重ねた。 やがて子供をあやすような瞳でじっと見つめられ、仕方なくゆっくりと唇を離した。 「続きは次回のお楽しみってな」 「…スノウ…」 名前を呟くと額に唇を落としてくれた。 スノウの言葉通り、眠気が急に襲ってきた。 何もしていないのにこのまま眠れるわけがない。 でも、スノウは眠れと何度も囁いて胸の中で抱きしめた。 耳元に鼓動が聞こえてきた。 どくどくと、脈打っている音が眠りへと誘ってくれる。 「おやすみ、ホープ」 目が覚めたら、彼は何と言うだろうか。 これでもまだ僕の事を好きと言ってくれるだろうか。 そんな不安がよぎったけれど、 「何も心配ない」とスノウの鼓動が教えてくれているような気がして、僕は深い眠りに就いた。 ――――――――――――――――――――― 初めての裏モノでした…。 色々大丈夫かなぁと不安だったりもしますが、そこは少しお酒の力を借りて(ぇ) やっぱり書いていてすっごい楽しかったです(笑) でも今回は御預けっぽい終わり方だったので、次こそはもっとイチャイチャさせたいです。 TOPへ 戻る