口づけをせがむとスノウは少し困ったように笑った。 彼は変な所で遠慮するから妙にもどかしくなる。 僕が相手だからそんな顔をするの? つい、そんなことを考えてしまって心をちくりと針が刺した。 でも小さく空いたその穴を埋めるようにスノウは静かに唇を重ねてくれた。 予想以上に柔らかい唇。 ぐんと近くなったスノウの匂い。 軽い音を立てながら触れる例え難い感触。 けれど、とても愛おしい感覚。 背中に腕を回すと、スノウの大きな手が後頭部を支えてくれた。 薄く唇を開いて誘ってみると、何の躊躇いもなく誘い乗ってくれる。 こう言う時、スノウは何故か素直に受け入れてくれるのだ。 「ンッ…」 差し込まれた舌が口内を貪る。 唾液が絡んで思考を麻痺させるような水音が響く。 もし今ここが極寒だったら、すぐに息が白く染まっているんじゃないかってほど、交わる吐息は熱い。 息が出来ないほど絡ませて少し苦しかったけれど、 心が溢れるくらいに満たされていくのがわかった。 「はっ……スノウ…」 唇が離れた僅かの時。 隙間を埋めるように。 二人の距離を繋ぎ止めるように名を呼ぶ。 スノウはいつものように優しい笑みを浮かべて、何も言わずもう一度唇を重ねた。 いつからこんな関係になっていたかなんて、わからない。 でも違和感と言うものを一つも感じなかったのが正直な気持ち。 触れ合うことが当たり前になっていて、 指をからませて笑い合うことが幸せなのだと知ったのは最近の事。 嬉しいことがあると、もっと欲しくなってしまうのが本能だとスノウは言った。 ――だから僕は彼に身を委ねられる。 「ッ、ぁ…!」 背筋がぶるりと震えた。 喉から溢れ出す声は抑えきれない衝動の証。 身に纏うものは何もなくなったはずなのに、不思議と寒くはない。 それもこれも、全てスノウが与える刺激の所為だ。 「……ぁ、んッ…」 ホープの熱を、大きな手のひらが柔らかく掴みそっと扱く。 触れられるだけで、もうどうしようもなくなってしまうのに、 スノウはくすくすと楽しそうに笑いながら自らの口内にホープを導いた。 すっぽりと包まれた猛りが疼く。 心臓の音と共鳴して脈打つ熱。 ぬるりとした舌が先端を突くだけで、腰が砕けそうな快感の波が押し寄せる。 「…あぁっ、ぁ…ゃ……ッ」 耐えきれない快感に思わずスノウの頭に触れる。 その刺激から解放されようと願い、潤んだ瞳で懇願したが、 裏腹な思いはスノウの欲望を掻き立てるにすぎなかった。 「気持ちいいのか?」 見上げられた視線にどきりとする。 唾液と先走りで濡れた唇をぺろりと舐めてから、再び熱に舌を伸ばしてちゅっと吸い上げた。 吐息がかかるたび腰が震える。 返事が出来ずにただスノウの瞳を見つめていると、 「…ん、まぁ…訊くまでもないよな」 意地悪げな微笑を浮かべながらそっと裏筋に舌を這わせた。 「ゃ、あっ…あ…!」 くちゅりと卑猥な音を立てながら、スノウは愛撫を施してゆく。 我慢できずに止め処なく液体が溢れる先端を指先で弄り、 唇を巧みに使って的確な刺激を与え続ける。 汗が滴り落ちる。 息が上がる。 熱くなる身体はもう抑えが効かない。 刺激が辛いのではない。 スノウの愛撫に期待してしまう自分自身が恥ずかしい――。 「…ンァッ……だ、め…」 意識が朦朧とし、まるで自分の身体ではないような感覚に陥る。 無意識のうちにもっと欲しいと求めて、腰が勝手にゆらゆらと動いてしまう。 咥えられたままぬるりと舌が蠢く。 思わずスノウの頭をぎゅっと押さえつけた。 これでは本当に愛撫を待ち望んでいるだけになってしまう。 「ハッ、ぁ……ス、スノウ…」 けれどもう我慢の限界も近い。 懇願するように精一杯声を絞り出して名を呼ぶ。 少し潤んだ視界の向こう側に、優しげに目を細めるスノウの姿が浮かんだ。 「ん、っ……もう、我慢できねぇ?」 羞恥の渦にいながらも最後の主張と言わんばかりにこくりと頷く。 その反応を見るや否や、スノウはより一層激しく舌と指を動かした。 唇で強く吸われると一気に絶頂へと促される。 「…あぁっ…スノウッ…出ちゃ、う…」 欲望が駆け上がる感覚。 口から離そうと必死に頭を掴んだが、スノウは咥えたまま離さない。 全身がふるふると震えて指先の感覚がなくなる。 ひたすらスノウの熱に浮かされるばかりで――それが酷く、嬉しかった。 「はぁっ…はっ……ン」 結局、導かれるままにスノウの口内へと白濁が放たれた。 虚ろな視界の向こうに、喉をこくりと動かすスノウがいる。 ――飲むなんて、バカじゃないか。 そうぼんやりと思っても言葉にできず、 ただひたすら快感の余韻に耐えながら、呼吸を繰り返して息を整えた。 じっと見つめていると、スノウがようやく口元を拭って見上げた。 「ん? どうした?」 きっと軽く睨みつけるとスノウは目をパチクリさせて首をかしげる。 何か自分が悪い事をしたのかと言いたげな表情。 そんな顔を見てしまうと、文句を声に出すのさえどうでもよくなってしまう。 「ホープ?」 何も言わずスノウの手を取り、残滓が残る指先にそっと舌を伸ばした。 案の定、決して美味しいものではなかったけれど、 それは確かにスノウがくれた幸福の証のひとつだ。 関節から指先、爪までひとしきり舐めると、 くすぐったいだろ、とスノウが軽く笑い声を上げた。 大きな指先が唇から離れる。 ようやく戻ってきた身体は一気に冷えを感じた。 「――スノウ。して」 「え?」 掴んだままのスノウの手のひらをぎゅっと握り締める。 やっぱりこう言う時のスノウは妙に鈍感だ。 ちゃんと言わないと、伝わらないから。 でも、恥ずかしいから。 か細い声で、その耳元に囁きかけるように。 「――ぎゅって、してよ」 予想通り。 間髪いれずにその大きな胸で受け止めるように、 微かに震える身体を頼れる腕でしっかりと抱きしめてくれた。 ――――――――――――――――――――――― ムラムラしたからやった。後悔はしていない。 …というのが正直なところ(笑) 何となく二人のいちゃいちゃしているのが書きたくて、 それに加えて最近ムラムラしていたのでこんな内容になりました。 またもや一方的にホープが…という感じですみません。 発展するにはもうちょっと時間をかけてみたいなとも思っていたり。 まぁ、追々自然な流れで。。。 TOPへ 戻る