「今日はダメ」 スノウの大きな手がズボンをずり下げようとしたその時だった。 微かに震えたホープの手がぐっとその腕を制止する。 予想外の出来事に、白い首筋に唇を当てていたスノウは驚いて顔を上げた。 「何がダメなんだよ」 「ダメなものはダメなんだってば」 いつもの通り、柔らかいキスから始まって段々と下に移動して――。 その順序がいけなかったっていうのか? そう言いたげな視線を投げかけても、 ホープは唇をきゅっと噛んだまま真剣な眼差しを返す。 情けない事に、透き通った瞳で訴えかける彼の真意がわからなかった。 こうして触れ合うこと自体、 好きか嫌いかで言えばホープは好きでいてくれていると思う。 もしかして、今日は単純に気分が乗らないのだろうか。 それとも突然の反抗期が訪れてしまったのかもしれない。 けれど、眼差しの中に怒りのような感情はなくて、 むしろもっと求めているように思えて仕方ないのだが。 お年頃の少年はよくわからない。 ズボンにだらしなく手を掛けたまま頭の中でずっとホープの想いを考えていると、 覆いかぶさったスノウの巨体を彼は両手でぐっと押し上げた。 これは相当キている。何かが。 後ろに尻もちをつく様に身体を起こされ、座って向かい合う形になる。 混乱する思考の中で足を広げたまま、 これ以上下手に続けない方がいいと覚悟を決めたその矢先だった。 「ホ、ホープ!?」 彼の小さな身体が急接近した。 みっともなく広がったままの足の間にホープがすっぽりとはまり込むと、 その白くて柔らかい手のひらがスノウの股間にそっと触れた。 前戯は僅かだったとはいえ、高まる胸の内に比例するように下半身は反応を示していた。 加えて不意打ちの刺激が与えられたことにより、 もう後戻りできないところまで来てしまう。 これは困った、という素直な表情が顔に表れていたのだろうか、 目線を下に向けるとホープがくすりと笑いながら見つめ返してきた。 まさかの事態に翻弄されている自分をホープは確実に楽しんでいる。 「お、おい、ホープっ…」 「仕返しだよ」 「仕返し?」 「いつも僕ばっかりされてるから」 そう告げてからホープは身を屈めた。 ズボンのバックルに手を掛けて何度かカチャカチャと動かしながら外してゆく。 ようやくホープの真意が掴めた気がしてスノウは深く息を吐いた。 それがわかったことで満足してしまって、 目の前で起こっている事はほとんど頭に入って来ない。 冷静に考えてみればとんでもないことが起きているのだが――。 そんな事をぼんやりと思っていると、 猛りきった熱がいつの間にかホープによって取り出されていた。 じっと見られると妙に恥ずかしくて苦笑する。 「あんまり見るなよ」 「…ごめん。だってスノウの…」 先ほどの威勢はどこへ行ってしまったのやら。 頬を赤く染めながら今にも消えてしまいそうな声で呟く。 「大体はホープの所為だからな」 照れるくらいならするなよと思いつつも、微かに震える指先の美しさに見とれてしまう。 翻弄されてたまるものかと冷静を装うとしても、 ホープの吐息がかかってしまう距離にいるだけで興奮してしまう。 さらに新鮮な状況と珍しく積極的なホープの姿があるのだから、 彼が驚きの言葉を洩らしてしまう事態になるのも当然だろう。 「触っていい?」 「もう触ってるじゃねぇか」 「あ…そうだった」 実際、相当緊張しているらしい。 可愛いなと思いながら、ホープの頭をそっと撫でて呟いた。 「手が震えるくらいならやめておけよ」 「ううん、大丈夫。…僕にさせて」 本当にお年頃の少年はよくわからない。 心配して声をかければかけるほど闘争心を燃やすと言うのだろうか。 彼の心に小さな火を灯してしまったらしく、緊張を隠すようにホープはくすりと微笑んだ。 そして勃ち上がったものが両手でゆっくりと包みこまれる。 「…っ…」 指先がつつ、と裏筋を辿るたびに腰がぞくぞくと反応した。 上下にゆっくりと動かしながら、時折上目遣いで様子を窺うホープの健気さに、 心臓が打ち抜かれるような衝撃を覚える。 「は、…んっ…」 戸惑いながらもそっと唇を当ててみたり、舌を伸ばしてちろりと舐めてみたりと ホープは果敢に愛撫に挑んでいた。 赤い舌が裏筋を辿る。 くすぐったい。 でもその刺激は確実にそこの硬度を増大させる薬にすぎない。 溢れ始める先走りを吸い上げて、子犬のようにちろちろと舐めては唇を付ける。 じっと見ているだけでは両手が落ち着かず、ついつい彼の柔らかな髪に触れてしまう。 感触を楽しむように撫でると、ホープの目が微かに細められた。 「無理すんなよ、ホープ」 「…無理してない、から……ぁ、んッ」 心配して言葉をかけても今はホープを煽るにすぎないようだ。 その小さな口にぐっと熱を押し込んで咥えた。 「…っ……!」 熱くて、きつい。 けれど後孔に入る時とは違う感覚に思わず声が洩れてしまう。 必死に頬張りながら、ぬめる舌が這い回る。 「ン、…ンぅっ……ふ…」 テクニシャン――という訳ではないけれど、 ホープが懸命に咥えていると言うだけですでに達しそうだった。 しかしうっすらと涙を浮かべて苦しそうに眉を歪める表情にずきりと心が疼く。 想いは嬉しいが、彼が辛くなるのを見たいわけじゃない。 ここまでしてくれただけでもう充分だと言わんばかりに、ホープの口から猛りを引き抜いた。 「ホープ…っ…やべぇって…」 「何が?」 「何がって…もう出ちまうぜ、俺…」 随分溜まっていたからには、相当の量が出ることだって予想できる。 そんなものをホープの口に注ぎ込む事だけはしたくなかった。 あと一回でも擦ってしまえば出てしまうくらいの限界までホープはしてくれたのだ。 引き抜いた熱がゆらゆらと彼の目の前で揺れる。 もう充分してくれたと合図を送ったつもりだというのに、 ホープは再び舌と指を伸ばして陰茎に触れた。 「おいっ…!」 「出していいよ」 高く反り返った熱に唇を寄せる。 溢れて止まらない先走りをちゅっと音を立てて吸いながら、 ホープは舌で先端に刺激を与えて射精を促した。 「んなもん飲ませられるかよ」 「ん、っ……スノウはいつも僕の…飲んでるじゃん」 「お前のだからだよ」 瞳を潤ませながら奉仕を続けるホープ。 その唇の端を伝う唾液を指で拭ってやる。 「…それなら僕も、スノウの飲む権利あると思う…」 「飲む権利って…っ」 よくわからない理論を押しつけられたかと思いきや、 ホープは再び熱を咥えた。 拙いけれど、唇で懸命に愛撫を与えてゆく。 指先で根元を扱き、膨れ上がった袋を擦り上げる。 「はっ…ん…ン、ぁ……ぅ…っ」 「…マジやべぇって」 引き剥がそうとしてもホープは頭を突っ込んでくる。 喉の奥に先端が当たる。 苦しそうなホープの声が聞こえてきていたたまれなくなる一方、 素直に彼の気持ちが嬉しかった。 「…っ…出るぞ…」 「ん、ふ……んっ…!」 我慢の限界を迎え、スノウは一気に白濁を放出した。 焦らされた熱が解放される勢いはとてつもない。 小さな口に収まりきらず垂れ落ちる精液。 必死に喉を動かして飲み込もうとするも、なかなか上手くいかないようで、 スノウは慌ててホープの口から陰茎をずるりと引き抜いた。 空気が入り込むと、改めて感じる予想以上の量にホープはむせた。 「…ン…けほ、けほっ…」 「ホープ! 大丈夫か?」 「ん…」 伝い落ちる液体を拭いながらホープはこくりと頷いた。 全て飲みきれなかったとはいえ、 スノウを受け止めようと必死に喉を動かしている彼の姿に嬉しさを覚える。 頬に触れて顔を上げる。 まだ涙を浮かべたまま虚ろな表情をしたホープに苦笑する。 「だから言っただろ」 無理して飲むな、と穏やかな声色で説くと彼はこくりと頷いて微笑んだ。 「スノウが気持ちよくなってくれたから嬉しい」 「ホープ…」 天使の様な笑みとはまさしくこのことだと思う。 スノウは衝動のままその小さな身体を抱き上げて膝の上に乗せた。 目の前に迫った顔。 何の予告もなしに、濡れた唇に己の唇を重ねる。 「ん、…んぅ…」 手を回してホープの後頭部を支える。 舌を差し込んで口内をまさぐると、青臭い匂いが漂ってきた。 清めるように唇を重ね続けると、 ホープの手がどんどんと胸を叩いて息苦しさをアピールした。 透明な唾液が二人の唇を伝う。 潤んだ瞳のままホープは荒く呼吸を繰り返した。 力が抜け切った身体は寄りかかるように倒れ込む。 体重を預けてぴったりと密着すると、くすくすと明るい笑い声が聞こえて来た。 「…また大きくなってる」 「誰の所為だと思ってんだよ」 今度は一瞬の抵抗だって与えてやらない。 休まりきっていない身体をぎゅっと抱きしめて再び唇を塞いだ。 そのままするりとホープの下半身に手を伸ばし、 大きな手のひらで彼の想いごと掴むように、その熱に優しく触れた。 ―――――――――――――――――――― 某方から「スノウが気持ち良くなる話を!」とのご意見を頂いたので、 今回はホープに頑張ってもらいました。 スノホプではなくホプスノっぽくなってしまいましたが、 最後のオチまでとても楽しく書けましたv 翻弄されつつ、翻弄する二人が可愛くて好きです。 もっと二人で翻弄されてどこまでも突っ込んでしまえばいいよ! と、思う今日この頃です。 TOPへ 戻る