「ちょっ…ユージュさ……んっ!」 突然手を引かれ、人気の少ない路地裏に連れて来られる。 暗がりの中、冷たい壁に身体を押し付けられ、顔色を窺う前に唇が塞がれた。 コンクリートのひんやりとした感覚とは正反対の熱がじわじわと全身を支配する。 「…っ…んぅ…」 角度を変えながら性急に与えられる口づけにホープの頭は混乱していた。 少し落ち着いてほしいと口を開いても、息継ぎするだけで精一杯だった。 下唇を柔らかく突かれ、薄く開いたそこからユージュの熱い舌が入り込んでくる。 「…ふ…ん、んぁ……んっ」 手首を押さえつけていたユージュの手が移動し、ホープの細い指と絡まる。 力が抜けて、その場に座り込んでしまいそうになると、ユージュの腕が腰を支えてくれた。 「ん、ふぁ…っぁ…ッ…」 息苦しくて瞳に涙が浮かび始めた頃、ユージュはようやく唇を離した。 見上げると、荒く息を吐くユージュの瞳が目に映る。 と、久方ぶりの彼の顔を見たのも束の間、すぐに濡れた唇が首筋に寄せられて、 びくりと肩を揺らした。 「ぁっ…ゃ…」 「ホープ…我慢できない…」 ちゅっと音を立てて首を吸われ、白い肌に薄紅の華を咲かせてゆく。 生温かい舌が滑るたびに我慢できない声が洩れてしまう。 いくら人通り少ない路地裏とはいえ、いつ誰が見ているかも、通り過ぎるのかもわからない。 羞恥に耐えられなくなって、ホープは最後の力を振り絞る。 ユージュの胸を押し戻し、涙を湛えた瞳で見つめた。 「…家まで…待って…ッ…」 「ごめん。でも…もう待てない。ホープが欲しい」 熱に浮かされた声で耳をくすぐると、頭の中が甘くふやけてしまう。 優しい声と口づけで、二人きりの世界に入り込んでしまったような感覚を覚える。 「んぅ…ん…ぁ…」 このままどうにかなってしまうのも悪くないかもしれない。 しかし、するりと上着の中に忍び込んだ冷たい手の感覚に、 ホープはハッとしてもう一度身体を押し返した。 「ユージュさ…だめ…っ…」 頬を伝った涙が彼の手の甲に落ち、ようやくユージュの動きが止まる。 「ごめん…俺…」 我に返った眼差しを向けられ、唇を微かに震わせながら呟いた。 絡ませていた指が離れかけた瞬間、ホープの指が彼の腕を再び引く。 「早く…」 「え…?」 「早く…帰りましょう?」 とくりとくりと脈打つ鼓動が重なる。 心地良い体温の感覚がなくなれば、すぐに欲しくなる。 「…う、うん」 「家に着いたら…その…」 顔を伏せて言葉を濁らせる。 この甘い時間の続きをしてほしいということは、言わずともユージュに伝わっていた。 「それまでは、これで我慢してください」 ホープの手が差し出される。 強請る声にユージュは頬を僅かに緩め、手を握り返す。 「うん。我慢する」 手を握り締めたままそっと持ち上げて、 まるで誓いを交わすようにホープの手の甲に唇を寄せた。 このキスにかけて約束する、と呟くとホープがくすりと微笑んだ。 「ユージュさん…ドラマの見過ぎじゃないですか?」 「はは、皆によく言われる。でも、一度言ってみたかったんだ」 「ユージュさんはそれでしっくりきちゃうから困るんですよね」 「え?」 「い、いえ。何でもないですっ」 手の甲に残る唇の感覚がなくなる前に、二人は家路を急ぎ足で辿った。 end ――――――――――――――――――――― 箍が外れて無我夢中になっちゃうユージュに萌えます。 てかユーホプでもやっぱりホープの方が精神年齢上っぽいですね(笑) そしてロマンチストでいてほしいユージュ。 TOPへ 戻る